育自ネットBOX

赤ちゃん全開で遊ぶ!
赤ちゃんと一緒の編集会議 7月3日(火)・8月7日(火)レポート

 

「つどいの広場あそぼうよ」が休館日の午後、5ヶ月、1歳7ヶ月、2歳6ヶ月の子どもと母親たちが集まって編集会議。まず、前号の「育自ネットBOX」思春期の記事をみんなで読んで話していたら、自分たちの思春期はどうだったんだろうという話しになりました。自分の思春期を振り返ってみたら、子どもを見る視点が違って思えてきました。そんな話をする中で、2歳半の子はダンゴムシになり、5か月の赤ちゃんはよく遊んでいました。「家ではこんなに自分から離れないのに、どうして?」と5ヶ月の赤ちゃんの母Tさん。お母さんが誰かと話している安心感の中で、赤ちゃんが自由に動ける感じが編集会議にはあるのだと発見! 2歳半の子どもの行動も理解することができたり・・・。赤ちゃん・小さな子どもたちのパワーが全開になる、嬉しい編集会議に来てみませんか。

 

◆私の思春期

子育て真っ最中の私が思春期だった頃、父親が嫌で嫌で仕方がない時期がありました。どれくらい嫌だったかというと、まず父が帰って来るとすぐ自分の部屋に。視界に入って欲しくないし、父の視界にも入りたくない。名前も呼ばれたくないし、父からの電話は耳から離して通話etc...。何がきっかけでそうなったのかはわかりません。とにかく嫌で嫌で、本当に嫌で仕方ありませんでした。
私は高校を卒業して家から車で1時間ほど離れた所で一人暮らしを始めたのですが、携帯をサイレントモードにしていて、両親からの連絡に気づかず過ごしてしまった時がありました。そうしたら父が血相を変えて、真っ青な顔でアパートにやってきました。その時私は「あんなに酷いことをしていたのにこんなに私の事を心配してくれてるんだ」と思い、それを機に父との関係が少し良くなった気がします。あの時の父の顔は今でも忘れません。
現現在2歳半の娘。いつかやって来る思春期が、楽しみでもあり、少し不安でもあります。父と同じ思いをするかもしれない夫には酷ですが・・・(笑)。
10数年後、娘と私と夫は、どんな関係を生きているかな、どうできるかなと思っています。
 

◆だんごむしになって「ママじゃない!」―娘は2歳6ヶ月

初めて参加する編集会議。テーブルを囲み色んな話し(思春期の時の自分の話し)をする中で、娘はハサミのお仕事。折り紙をちょきちょき。小さく小さく…。そして娘の探究心はテーブルを超え、鏡の穴に。恐る恐る、鏡にハサミを突き立てたり、穴に差し込んで切ってみようと試みる。そんな所を私が発見(笑)。「危ないからしまっておこうね〜」とハサミを取り上げる。少し納得しない顔でしたがすんなり渡してくれたので、拍子抜け。
ママじゃない!
ところが…それがあの時間のスタートだったのです。鏡の前にだんごむしポーズで丸くなり…時々「んー!」と声を出したり音を立ててアピール。近づくと「ママじゃない!あっち行って!」。スタッフさんが行っても「ママじゃない!」。再度私が行っても「ママじゃない!」。ママなんだけどなあ〜、どうしてそう言うのかな~と私は思いながら、娘はだんごむしになり続けていました。しばらくして、一言声をかけてもらったのをきっかけに、私に抱きついて「あっちのお部屋いく」といって、別室でおっぱいを飲み落ち着き、また元気に遊び始めました。
きっと自分でもどうしたらいいかわからなくなってしまった所もあったんだろうなぁ、色々な想い、葛藤があったり、整理したい気持ちだったり。2歳半の娘の姿と、私の思春期が重なって見えて、同じ姿かもしれない―と思えたのでした。

(あちママ・ひめーひめ)

 



 “いないいないばあ”はおもしろい!

息子(Sくん・1才8カ月)は、“いないいないばあ”が、とにかく大好きです。あそぼうよの7月のセミナー・べるべるのテーマは、「“いないいないばあ”あそびから見えてくるもの」でした。このセミナーに参加した私は、このあそびを通して、子どもが何を楽しんでいるのかを渡邉寛さん(彩の子ネットワーク相談室担当)から教えていただきました。

 

★☆★ Sくんのこれまで ★☆★
生後9ヶ月~
 ‘いないいないばあ’が大好きになった。
人にやってもらうのも、自分でやるのも大好き。タオル、洋服、おもちゃ、お皿、カーテンなどなどを使っていつでもどこでもやっていた。
自分の手で自分の顔を隠すことはせず、物で顔を隠していた。
布を使って(9カ月)
↑布を使って(9カ月)

生後1才3ヶ月~
「いない」「いた、あった」が言えるようになってきた。やや停滞していた‘いないいないばあ’熱に再び火がついた。1日に何回、自分から‘いないいないばあ’をするか数えたら42回だった。‘いないいないばあ’関連の遊びも大好きだ。

あそぼうよにて(1才7ヵ月)
あそぼうよにて(1才7カ月)

生後6ヶ月~
‘いないいないばあ’をして見せると、笑うようになった。
いないいないばあ イラスト
 

★☆★ 「いない」と「いた」の間 ★☆★
我が家の“いないいないばあ”
私
毎日、こんな感じです。
渡邉さん
渡邉さん
「いない」と「いた」の間にストーリーがあるんですね。
私
ストーリーなんですか!?
渡邉さん
渡邉さん
‘いないいないばあ’は、「いない」と「いた」の遊びってわけではないんだ。本当は、「いない」と「いた」の間を楽しむ遊びなんだよ。大好きなお母さんがいなくなってしまった不安、また出てくるんだろうという期待が間にあるから、おもしろいんだ。Sくんは、その間をストーリーとして楽しんでいるんだ。
私
どんどんストーリーが長くなっています。
渡邉さん
渡邉さん
うん。「いないけど、いる」ことが分かっているからね。‘いないいないばあ’で遊べるようになると、後追いもなくなってくるよ。

「後追い」は、今まで見えていたお母さんが急にいなくなっちゃうから、不安になっての行動。赤ちゃんにとって、見えている世界だけが全てなのに、それが急になくなっちゃう。パニックになって、お母さんを探すよね。‘いないいないばあ’も、最初に「いない」とお母さんが顔を隠した時は、びっくりするよね。けれど、これは遊びで、お母さんがまた出てくれると思えるようになると、楽しめるんだ。
私
それにしても、目が隠れているだけで本気で「いない」と思えるなんて、不思議です。目以外の部分は出ているんですけどね。遊びと分かっていながらも、目を隠せば、その瞬間は本当に「いない」ものとして捉えているみたいですよね。
渡邉さん
渡邉さん
Sくんの立場で考えた時に、見えないものは「ない」と同じなんだよ。Sくんが自分の目を隠せば、当然なにも見えないよね。お母さんが目を隠しても、自分が目を隠した時のように「いない」と思えるんだ。
猫にいないいないばあをするSくん
猫にいないいないばあをするSくん
私
‘いないいないばあ’は単純な遊びじゃないんですね~。こんなに奥が深いとは思いませんでした!
 

子育てエッセイ「少しずつママになる」

初めて経験した出産、体もきつい中、待ったなしの育児がスタート。分からないことだらけで戸惑う私に、「ママがどっしりした気持ちでいないと、その不安が赤ちゃんに伝わっちゃう」と、ある人に言われた言葉。しっかりしなきゃという気持ちの反面、みんなからママ、ママって呼ばれる、そのママって呼ばれること自体がプレッシャーになっていた。 そんなある日、精密検査を受けるために入眠剤を飲むことになった息子。嫌がる息子の体を抑えながら、『ママだからしっかりしなきゃ!』思えば思うほど涙が溢れてしまった。それに気づいた看護師さんが一言「こうやって、少しずつママになるのよ」っと。その言葉に救われた。 生後5ヶ月の息子、ママも生後5ヶ月。これから私も子どもと一緒にママとして成長していきたい。(ちゃんぼー)


 

育自ネットBOX2018年9・10月号編集委員
島田萌奈・秀真(1歳8か月)、武原あきほ・優乃(2歳6か月)、冨山香菜・宗祐(6か月)、鈴木玲子、山口直、渡邉寛、加勇田久美子、横山明美、西川美保、大谷久美子、八重樫裕子、石原香代子

育自ネットBOXは、市内各公共機関やつどいの広場あそぼうよ(NPO法人彩の子ネットワーク・上尾グラン育自ネットワーク事務所)にあります。見つからない場合は、以下へお問い合わせください。
お問い合わせ:上尾グラン育自ネットワーク
電話:048-770-5272 e-mail:office@sainoko.net